遊泳する言葉

言葉が追いつけないものがある。言葉に追いつけないものがある。だから言葉を追いかける……

山のみず、海のみず 

もう秋なんだろうか、それともまだ夏なんだろうか。室内は涼しいが戸外は暑い。誰かが掃いたような雲と、澄みきった青い空。大地を水浸しにした大量の天の水は、ついでに空をもきれいに洗い清めたみたいだ。超巨大な台風やゲリラ豪雨といわれるものが、日本列島のあちこちを襲った夏だった。急峻な山を崩し、川を氾濫させ、家や人を押し流した。亡くなった人や行方がわからない人は数知れない。さらに、道路が崩れて孤立してしまっ...
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詩の欠片をさがす 

過去に書いたブログの記事を、読み返して詩の形にして再生する。あるいは過去に書いた詩を解体し、言葉を補足して散文にする。そんな試みをしてみる。そもそも詩と散文の違いがなにか、よくわからない。詩を書こうとすると、イメージや言葉がやたらに浮遊しはじめるような気がする。書こうとすることから、言葉だけがどんどん独り歩きしてしまう。その結果、言葉のリアルな手応えが希薄になっていく。詩というものについて、なにか...
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暑くて長~い夏だった 

先日の台風一過、近くの公園では、ニセアカシアやケヤキなどの大木が根こそぎ倒され、あるいは中ほどからへし折られて、通り抜けることもできないほど見るも無残な姿になってしまった。台風21号は想像を絶して風の被害が大きかった。さらに北海道の大きな地震災害が追い打ちをかける。山は崩れ川は氾濫する。この日本列島は一体どうなっているのだろうか。一方わが身は、久しぶりに受けた健康診断でメタボ検査はパスしたが、不整...
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コップのうみ 

コップに水を満たすごくり乾いた血管にひろがっていく潮騒のうみつぎつぎに波を飲みこんでは吐きだしなぜか背泳ぎをする水と空気を分けて浮かんでいるぼくの半分は嘘みたいに軽いあとの半分は真実かもしれないあるいは泡ぶくだったり星くずや貝がらだったりコップのうみを飲み干したらたちまちぼくも空っぽになる...
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雲の向こうにあるもの 

なにげなく空を見上げる。雲を眺めることが多くなった。手持ちぶさたということがあるかもしれない。退屈だということがあるかもしれない。ずっと抵抗していたものが急に無くなった。そんな心の秋空にぽっかりと雲が浮かんでいる。これまで何かに抗っていた。急に抗う対象が無くなってしまった。だが抗っていたものは大したものではない。それはこの夏の猛烈な暑さだったのであり、涼しくなってみれば、ただ虚しいばかりだ。汗だく...
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UFOの夏 

夏はぼくの夢をやわらかく砕く失った欠片ばかりが空を浮遊しているひかりの交信は途絶えたまま夜空の星はもう追わない指にとまったナナホシテントウムシの小さな星を数える水のなかで息を継ぎながらひとの優しさも知ったプールでそっと触れた手は水よりも冷たかった背中で浮かんだままでもうすぐ終わってしまうものがあることを光る雲を追いながら考えるたぶん明日もまたあの空から始まるのだろう...
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