遊泳する言葉

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ライフ

1日がはやい1週間がはやい1か月がはやい1年がはやい神さま早回しはやめてくださいそれなのに3秒はおそい3分もおそい明日もおそい良い知らせはもっとおそい越冬する蝶の時計は夜中の0時で止まっている昨日でもなく明日でもなく思い出したり忘れたり花びらの夢を乱舞している詩集『新詩集2016』(pdfファイル)にほんブログ村...

なんとなく春だから

わいは無口な郵便ポストだす黙々と花の便りを配ってますねん  *花だから咲いたらすぐに散ります誰かが言いましたわたしは薄いうすい一枚の紙です折り鶴が言いましたわしは古いふるい一本の木だよ仏像が言いましたぼくは孤独でまぬけな人間なんだ木偶(でく)の坊が言いましたなんとなく春だからあたしの恋文は空をさまよう風の便りが言いました...

さまざまのこと思い出す桜かな

きょうの桜はいつかの桜かもしれないきょうの私がいつかの桜をみているいつかの鵯がきょうの桜を啄んでいるきょうの私はいつかの私かもしれないいつかの私がきょうの桜をみていてきょうの鵯がいつかの桜を啄んでいていつかの桜がきょう散っている...

春の詩集2016

 みんな空へ帰っていく 卒業式の日に飼っていたホオジロにリボンをつけて冷たい空に放してやった冬の鳥だから冬の山へ帰してやったよせんせいの声もピアニカのドミソもみんな憶えていたいけどばいばいおばあちゃんの声が赤土の窓からとび出してくるんだたまごやき焼いたよって帰っといでおばあちゃん春だからみんな空へ帰っていくんだだれだろう空のどこかでノックしているコンコンコンけきょけきょけきょ窓を開けたらぼくの部屋...

いまは夢ばかり運ばれていく

軽くて不確かなものを雲はしずかに運んでいく見えないが何か声のするものを風は気まぐれに運んでいく水が騒いでいるいや水鳥が羽ばたいている寒い日は浮いたままでいたのに冷たかった水がすこしだけ温んできたのだろうかヨーヨーおじさんは片足だけ水に浸して目が覚めた水の中で雲が乱れ散った不確かなものは不確かなまま見えないものは見えないまま水の底では冬眠しつづける仲間がいるのだとそれだけを知ったやがて水鳥が運んでい...

神は見た、美しかったからである

窓に向かって古い本をひらくはじめに丘があった丘はなだらかな放物線をえがきやわらかくて温かいふたつの水をわけて現れたそれは原初のかたち満々と水をたたえて膨らんでいるOh fine!神は見た、美しかったからである……と流れるものそれは水だろうか光るものそれは星だろうか微塵となってかたちなく空しいままで宙をさまようもの窓の外へ耳をひらくかすかに聞こえてくる単調なリズムのくりかえし夜の底を流れている混沌のひびき辿...

ソーダ水あかき唇あせぬまに

マリさんのソーダ水を久しぶりに飲んだ細かい気泡がはじけるみどり色のグラスの向うにマリさんの憧れ大正デモクラシーのロマンがみえる声が少女のようにピアノだったな白いナース服の背筋が伸びたオールドミスの天使ソーダ水を懐かしんだ横浜の不二家が日本最初だったそうね白いおしゃれな喫茶店カウンターもテーブルも白い大理石コーヒーカップも白ボーイさんも白のコートレモン オレンジ ストロベリーバニラ ラズベリー ルー...