遊泳する言葉

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神様はどこへ

前回に引きつづき神様の話です。    秋祭りが終わると    もう神様もお帰りなさった と言って    神様は淋しそうに落葉を掃いている    神様はどこへお帰りなのですか    それはね山の奥だよ ほれ    山はもう沢山の神様で真っ白になっていた                 (『ぼくたちの神様』)今回は吉野山の神様です。吉野といえば桜ですが、その時は秋でした。ちょうど秋祭りのさなかで山の上...

紙の神様

以前に紙というものに拘って、シリーズで詩を書いたことがあります。そのときに、『ぼくたちの神様』という詩を書いて、あるウェブの詩サイトに投稿したのですが、ぼくの非力さもあって、意図したものが読み手にじゅうぶん伝わらなかったようで、そのことがずっと気になっていました。その詩の中で、ぼくは身近(?)な神様に登場してもらいました。具体的には奈良にある3柱の神様、すなわち3か所の神社がイメージの中にありまし...

サンタへの手紙

ジングルベルが流れて、街では青い発光ダイオードがきらきらと輝いています。子どもたちの世界では、サンタクロースが現れたり隠れたりして、そんな愉しい時期でしょうね。サンタクロースに手紙を書いた子どもの作文が新聞に載っていました。この作文を書いたのは小学3年生の女の子です。「中味はひみつです。でも、兄ちゃんもプレゼントをほしがっていたので、(兄ちゃんにもプレゼントをあげて下さい。)と書いてあげました。」...

地球は回っているか

まあるい銀盤の上を舞う美しい妖精たちに魅了されました。ぼくが男のせいか、イケメンや天下統一の男性スケーターよりも、きれいで可愛い妖精たちに熱く吸い寄せられてしまいます。許せよ、信長!ベテラン女王のスルツカヤの完ぺきな演技は、スポーツを超えて芸術に近い感動です。ぼくなどには点をつけることができません。20歳の友加里嬢はほとんどノーミスで、ぼくなどの素人判定では100点満点の採点です。彼女も自身の完ぺ...

柿が熟す、と。 <詩>

やわらかさと冷たさを両手でつつむおっぱいのようだといいな温もりの色をひとつ鳥たちのために空に残すとても寒い日だった芯へ芯へと熟れてゆく季節は記憶のない記憶のようだこの甘さは抱きしめることができないから果実の深みへと記憶の生きものになるどくんどくん複雑に照れるけどすこし群れてきょうも生きる...

もっと光を!

今年も神戸のルミナリエが始まりました。阪神大震災の犠牲者の追悼と街の復興を願って、震災の年の12月から始められて今年で11回目になるんですね。まだ街の各所に傷痕が残っていた第1回のルミナリエのテーマは「夢の光」で、今年のテーマは「光の第二章」だそうです。夢から立ち上がって今また新しい章へと展開する、この10年の神戸の再生への変遷を、煌びやかな光の演出にみることができそうです。10年前、この神戸とは...

はじめに言葉ありき

街にクリスマスソングが流れ、イルミネーションが並木を浮き上がらせて美しく輝き始めると、クリスチャンではないぼくでも、なんだか神の懐に抱かれているような敬虔な気分になってしまいます。「太初(はじめ)に言(ことば)あり、言(ことば)は神とともにあり、言(ことば)は神なりき。」これは新約聖書のヨハネ伝福音書の書き出しの文章ですが、神ではなく、言葉に捉われているぼくは、神と言葉が同義であるということに感動...

星空

ぼくが書いたものが、はじめて活字になったのは高校生の時でした。なにげなく投稿した『星空』という短編が、学校の文芸誌に載ったのでした。夜空を見上げながら、ガールフレンドに星空が何に見えるかと問いかけたら、彼女が「壁のように見える」とこたえる。そのような彼女の素っ気ない反応に、ぼくが彼女の真意を推量しようとする、そんな気弱な若者の心象を書いたものでした。彼女とは小・中学校を通じて同級で、きょうだいのよ...