遊泳する言葉

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どこかにいい国が

ヒグラシの声をひさしく聞いていない。    また蜩(ヒグラシ)のなく頃となった    かな かな    かな かな    どこかに    いい国があるんだ                 (山村暮鳥『ある時』)ぼくの住んでいるあたりでも、かつては車で1時間ほども走ると、里山ではヒグラシが盛んに鳴いていました。谷あいを細い川が流れ、瀬音に混じってカジカの鳴き声も聞かれました。清流の石ころに巣食ってい...

ときには日記のように

8月26日 土ようび 晴朝起きて顔を洗って……、いやいや、そうじゃない。とにかく暑いのだ。まず冷たい水を1杯。それが1日の始まりだ。大阪では真夏日と熱帯夜が、もうどれくらい続いているかわからない。連日、昼間は35℃、夜は27℃。新聞やテレビの天気予報をみても、大阪や京都の気温は他の地方よりも高い。ちなみに、全国主要都市の今日の予想最高気温をみると、札幌29℃、東京29℃、名古屋32℃、京都33℃、広島33...

犬は風景を見ない

子どもの頃は田舎で育った。だから、周りは山や川ばかりだった。けれども、山や川のある風景をじっくり眺めたことはありませんでした。いつも山の中にいた。あるいは川の中にいた。つねに自然の風景の中にいたのです。風景を外側から眺めることはなかったのです。すばらしいとか、美しいとか、感嘆の思いで風景を眺めた、初めての経験はいつだっただろうか。たぶん、青年期が始まろうとしたとき、田舎を抜け出して都会で生活を始め...

近しき人は墓の中で眠っている

9日のサッカー国際親善試合で、2-0で初陣を飾ったオシム・ジャパン。試合後の監督談話で、2得点をあげた三都主選手について、「ヒーローは墓の中で眠っている人を指すもの。三都主はまだ生きている。」と、オシム監督は語ったそうです。65歳の闘将の言葉には、スポーツを超えた人生の深い陰翳がありますね。騒ぐな騒ぐな、ヒーローは静かに眠らせておけ、という風にも聞こえました。まもなくお盆です。墓の中という言葉も特...

遠い花火、近い花火

幼稚園のお泊り保育の勢いで、その翌日は、孫のいよちゃんがひとりでわが家にお泊りすることになった。すっかり自信のついた顔つきになっている。夕方、いよちゃんのお気に入りの近所の駄菓子屋へ連れていったが、あいにく店は閉まっていた。バス通りのコンビニまで歩けるかと聞くと大丈夫と答えたので、手をつないで坂道をのぼってコンビニまで行く。以前は買物かごの中に、次々とお菓子を入れていくので戸惑ったものだが、いつの...

暑中お見舞い申しあげます <詩>

暑いですね温暖化の夏だそうですがどこまで暑くなるんでしょうね頭を使うと脳も発熱するそうですからなるべくぼんやり過ごすことにしていますもはや詩を読む体力も失せましたとくに長い詩や暗喩だらけの詩はスルーします挫折や敗北の詩はマイルドなものを恋の詩はクールなものをできればよく冷えた詩を読みたいですかき氷のような詩があればベストですそれとも冷たいプールのような詩があればただぼんやりと浮いていたいです背中を...