遊泳する言葉

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北の神様

その言葉を耳から聞いたら、どんな風に聞こえるのだろうか。もしかしたらそれは、神の声に聞こえるかもしれない。    シロカニ ペ ランラン ピシカン    コンカニ ペ ランラン ピシカンこの美しい響きのある言葉は、アイヌ語です。もちろん、もとの言葉は口伝えによるものです。これは『アイヌ神謡集』に収められた13編の神謡(カムイユカラまたはオイナ)の冒頭の部分です。口承によるものをローマ字で表記し、初め...

星の神様

満天の星空の中に、偶然ひとつの星を見つけたようなものだったかもしれない。それはごく最近のこと、山尾三省という名前を見つけたのは、近くの図書館でだった。それは初めて目にした名前ではなくて、いつかどこかで会ったことがある、かなり昔の友人に出会ったような邂逅でした。ぼくの記憶の本棚の中の、ずっと古いところに埃をかぶったまま置かれてあった、そんな懐かしい本の名前を見つけたようでした。そして今では、その本の...

森の神様

ぼくの森は、いま冬です。木々の葉っぱは散りつくして、細い枝の先には漠とした空がすけて見えるだけです。もともと貧しい森なのですが冬は格別です。シカもリスもいない。ヘビくらいはいるかもしれないが、いまは深く冬眠中なので、この森の中で動くものは小鳥だけです。この森のことは、以前にもこのブログで書きましたが、森といっても、ぼくだけがそう呼んでいるのであって、そこが森だなどという人は誰もいません。だからそこ...

山の神様

ことしは干支でいえば亥の年、亥は猪でしたね。猪といえば、琵琶湖の北東部、滋賀県と岐阜県の県境に伊吹山という1377メートルの山がありますが、この山を、牛のような大きな白い猪が駆け下りてきた、という古い話があります。こんな怪物のような猪に遭遇した人物とは誰か、それは『古事記』に出てくる倭建命(やまとたけるのみこと)のことです。伊吹山の荒ぶる神を退治に出かけた倭建命は、白い猪を神の使い走りと見下したのです...

神様をさがしている

新年あけましておめでとうございます。カレンダーが新しくなる。きょうから新しい年が始まる。新しい朝、新しい空気、新しい太陽。すべてのものに“新しい”をつけて気分を新たにしてみる。元日の朝は、厳かな気分で柏手を打つ。神棚はないが長いあいだの習慣で、三方にお鏡を飾りお神酒を供える。神様の依り代として形だけは整えてみる。静かに神様に向き合ってみる。そういえば、久しく神様のお顔も見ていないような気がします。奈...