遊泳する言葉

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蜘蛛の糸

人と人が意思を疎通するには、言葉や合図があれば十分だったのですが、人が神様に近づき、神様と交通しようとしたとき、言葉を形であらわす必要がありました。それが文字だったんですね。そして、われわれ現代人は、その文字を使って知らせたり伝えたり、さらにはお互いの心を交わしたりしています。人が言葉や文字で交流し、繋がっている部分は大きいようです。とくにネット上では、言葉(文字)なしでは何も始まらないのです。ブ...

林檎  <詩>

夢のなかで林檎になってしまうあなた寝返りのたびにあなたのことがわからなくなってわたしはとうとう朝を見失った手から手へ渡してほしいそのかたちとおもさを確かなままで目覚めたのちのあなたの林檎を丸いものは丸いままで冷たいものは冷たいままでたぶん残るけど甘さと酸っぱさと苦さとためいきと果汁のようになかなか果汁になれないわたし...

ゆうがたの魚 <詩>

ゆうがたひとびとの背がかなしいひとびとの背を超えてゆく魚がかなしい水が均衡するまずめどき幻想の水をしなやかに幻想の魚がおよぐしのびよる色がどくどくと熱いときもあるひやひやと冷たいときもあるひろがってゆく波紋水と空を分けてとつじょ失踪する魚の群れそのとき満ちてくるものの魚が超えるかなしみの深さへ手が届かないひとのひとびとの背がかなしい    (「日本WEB詩人会」「現代詩フォーラム」に投稿)...

古代人とのコラボ

大阪難波宮跡で見つかった木簡のことを、以前にこのブログで書いたことがありました。(『消える言葉、消えない言葉』)7世紀中ごろとみられるこの木簡には、「皮留久佐乃皮斯米之刀斯」(はるくさのはじめのとし)と11文字が記されており、このような万葉仮名による仮名書き表示は、日本独自の仮名書き文の始まりを告げるものだとして注目されました。この文字は「春草のはじめの年」として読まれ、31文字の和歌の冒頭部分であろ...

ぼくは少年だった <詩>

きょうぼくは少年だった両腕をいっぱいに伸ばしていちにち空を憧れていたぼくのノートはかなしい文字でいっぱいださようならさようならみんな さようならいくどもいくどもさようならと言いつづけるきょうぼくは少年だった鳥のようにぼくは空を切り裂けないさようならと言っても小さな影も捨てられないきょうぼくは少年だったさようならさようなら泣いても叫んでも少年のままだった    (少年たちよ、死ぬな!)...

神様の文字

亀の甲羅や牛、鹿などの骨に刻まれた、中国の古い文字のことを甲骨文といいますが、最初の甲骨文が中国の漢方薬店の店先で発見されてから、まだ100年ほどしかたっていません。けれども、およそ3300年前に作られたこの文字は、漢字のいちばん古いものだといわれています。幾千年という長い年月を超えて、同じ文字を今もなお使い続けているのは、われわれ漢字圏の人間だけではないでしょうか。世界でいちばん古い文字は、約5000年前...