遊泳する言葉

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あいまいな季節

ことし最後のアサガオの花が咲いた。急に風も冷たくなって、寒くて花もふるえているようにみえる。夏服を着たままで、晩秋を迎えている風情がする。いや、ふるえているのはぼくの方だった。やっとアサガオの夏が終った。そう思ったら季節が曖昧になった。いつのまにか秋も過ぎようとしていたのだ。たしか短い期間だったけど、金木犀の風も吹いていた。栗のイガもはじけ、アケビの殻も開いて実を落としていた。季節とのずれは、アサ...

秋の詩集2008

  雲ながい腕をまっすぐに伸ばして陽ざしをさえぎりさらにずんずん伸ばして父は雲のはしっこをつまんでみせたお父さんいちどきりでしたあなたの背中でパンの匂いがする軟らかい雲にその時ぼくもそっと触れたのです*  虫妹が泣いていただいじなオルゴールの中に嫌いな虫が隠れているというふたを開けるとときどきキロロンと虫が鳴くきれいな音のでるオルゴールの不思議なピンを折ってしまったのはぼくなのだ妹はそれを知らない...

詩はバラの香り?

風がひんやりしてきた。かすかに金木犀の甘い香りを含んでいる。成熟した秋の、季節の深みを流れてくる、うっすらと優雅な香りだ。金木犀は、花と香りのイメージがあまり一致しない。花は香りほど優雅でもないし美しくもない。金木犀の香りはやはり、花がどこにあるのかわからないが、どこからともなく忍び寄ってくる、そんな不思議な香りに魅力があるのだろう。谷川俊太郎の詩集を読んでいたら、   散文をバラにたとえるなら ...

花が小さくなっていく

アサガオの花が、今朝は1輪だけ咲いていた。それも、ずいぶん小さな花だ。真夏の花の4分の1くらいしかない。今頃アサガオ(?)と思われるかもしれない。たしかに時期はずれのアサガオだろう。いつもは8月の末には花も終わるので、種を採って蔓を片付ける。それで、その年のアサガオとはバイバイということになる。だが今夏は2週間ほど留守にしたこともあり、アサガオの開花をほとんど見ることができなかった。そのことが心残...