遊泳する言葉

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フーテンの葛飾柴又

東京滞在中、2日間は息子のアパートに泊まった。息子は荒川と江戸川に挟まれた辺りに住んでいる。ゼロメートル地帯といわれている所らしい。東京が沈没する時には、一番に逃げ出さなければならない。でも、人々は一見のどかに暮らしている。お寺もあるし町工場もある。もちろん住宅が密集し、地下鉄も通っている。他の都市となんら変わりはない。近くをきれいな疎水が流れている。ところどころにベンチやトイレなどもあって、子ど...

富士山

正月早々、思わぬことで上京した。車窓から久しぶりに富士山を見た。行きは新幹線のぞみ号からだった。2時間30分のスピードで見る富士は、早回しのように視界を過ぎ去るのも速くてあっけない。帰りはゆっくり見たいと思ったので、東名を走る高速バスにした。料金も新幹線の半額で経済だし、車窓風景を見るのも好きだから、ちょっとした旅行気分が味わえる。リクライニングシートも快適だった。関東平野のはずれ、うっすらと白い...

地上と地下と

元日に、関東に住む義母が亡くなり、早々に正月がどこかへ吹っ飛んでしまった。三が日は葬儀関係の施設も休日とか、なんだかんだ落ち着かない気分のまま待たされて、ついには9日の葬式になってしまった。高齢でもあったことと、松の内でもあることから、身内だけで済ませたのだが、少ないひとの集まりはひっそりと、そして静かにそれぞれが引き上げていった。義母は5年という長い寝たきりの生活だったので、死んでしまえば、反っ...

火と土のぬくもり

あけましておめでとうございます。空は曇っているが、雲も風も新しくなったような気がする。神の存在を信じているわけではないが、正月はなぜか、神さまが近くにいるように感じてしまう。早朝、近くの神社にお参りする。以前は奈良の大きな神社まで出向いていたが、しだいに近場になり、とうとうというか、やっと地元の古い小さな神社に落ちついて、身近なものに思えるようになった。わが家はすこし高台にあるので、山道の急坂を下...