遊泳する言葉

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アナログからデジタルへ

総務省からゆうメールが届いた。大変重要なお知らせだという。なんだと思ったら、アナログテレビ放送終了のお知らせだった。そんなことはとっくに知っている。それに2年先の話じゃないか。日常、「アナログ」という表示は、いやでも目に入ってくる仕組みになっている。われわれは毎日、カウントダウンされながらテレビを見ている。だから、あらためてお知らせなど余分なお節介なのだ。アナログだデジタルだといわれても、ぼくには...

花が咲いた

朝の気温22℃日中の予想気温31℃降水確率20%けさ、今年のアサガオの一番花が咲いた。アサガオは、花の形が「おはよう」と言ってるようにみえる。大きく口を開いて、明るい挨拶をする子どものようだ。きょうは良いことがあるかも、と言ってるようにもみえる。などと、勝手な解釈をしてみたくなる花だ。すでに次の蕾が、あした咲く花の色をのぞかせて、あしたの朝を待っている。アサガオは常に明日というものを秘めている。膨ら...

空の水

北陸のある地方では、おたまじゃくしや小魚が空から降ってきたらしい。不思議なこともあるものだ。ありがたいと言いながら、年寄りが空に向かって手を合わせている、そんな姿をテレビで観た。そのひとの宇宙は、きっと水に満たされているにちがいない。いま地上では、田んぼもため池も水を満々とたたえている。風も空気もたっぷり水気を含んでいる。草花も木々の葉も、勢いよく手を伸ばしているみたいだ。ひとも手を伸ばせば、容易...

名もない花のように

近くの公園で、黄色い花が咲き誇っている。以前は名前があったが、いまはない。といっても、それはぼくだけの認識にすぎないのだが。その花には名札があった。そして名前があった。たしか、ギリシャ神話の女神のような名前だった。誰かのいたずらで、いつのまにか名札がなくなってしまった。あまりに長い名前だったので、ぼくは覚えることができなかった。だから、名札がなくなると同時に、名前もなくなったのだ。もちろん、花は名...