遊泳する言葉

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野のひと

枯木のような枝のどこに、そんな鮮やかな色を貯えていたのか。ことしも蝋梅の黄色い花と、早咲きの梅の白い花が咲いた。まだまだ寒さも厳しいが、待ちきれずに春の色を吐き出したようにみえる。溢れでるものは、樹木でも人の心でも喜びにちがいない。香りは、花の言葉かもしれない。蝋梅の声は甲高くて明るい。意外と近くから聞こえる。梅の声は控えめでおとなしい。顔をそばまで近づけないと聞き取れない。遠くから記憶を引き寄せ...

湯湯婆と湯婆婆のちがい

「行火」と「湯湯婆」、このふたつの漢字が、きのうの新聞に載っていた。どちらも読めなかった。「行火」は「あんか」、「湯湯婆」は「ゆたんぽ」だとはじめて知った。パソコンで変換したら「行火」という漢字はすぐに出てきたから、ぼくだけが無知だったのかもしれない。だが「湯湯婆」の方はすこし手ごわい。湯婆婆(ゆばーば)なら、宮崎駿のアニメに登場する湯屋のおばあさんが居るが、漢字の並びが微妙にちがう。この冬は寒い...

吾輩も猫である

いつものように、公園のベンチで朝の瞑想をしていたら、目の前を異様なものが移動していく。そんなものが目に入るということは、いかに瞑想がいいかげんであるかということだが、その瞑想の原っぱを横切ったものは、公園を棲みかにしている野良猫だった。異様にみえたのは、そいつが鳩をくわえていたからだ。口元からひろがった鳩の羽が、まるでライオンのたてがみのように堂々としてみえた。大きな獲物をくわえているせいか、歩き...

ぼくのソウルメイトへ

これは魂(soul)の話。*あなたにメールするたびに、ぼくは自分の心の奥を見つめなおしているようです。そのことは、楽しかったり苦しかったりするけれども、そのつど、ぼくたちの魂の関係は深化していくようで、結果的にはとても喜ばしいことだと思っています。あなたも言葉を大事にする人だし、ぼくもあなたとの言葉を大事にしたいと思っています。そんな関係をつづけながら、お互いの言葉や魂が磨かれていくのはすばらしいこと...

坂の上には雲がある

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。*むかしむかし と始めると日本昔話になってしまいそうだが古い話を始めないと新しい物語も 始まらないのかもしれないいつのまにか それだけ古いものを背中にいっぱい背負ってしまったはあはあと 息を切らしながら坂を上る新しいものなど なかなか見えてはこない見えてはこないからふたたび むかしむかしと始めるとこの辺りには 小さな山があったいつ...