遊泳する言葉

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これって恋?

れっきとした18歳の社長令嬢が、風采の上がらない45歳のオトコにぞっこん。え? え? ともちろん、オトコの方が戸惑っている。「どうして、なぜ○○子さん、ぼくのどこが好きなのですか??」すると、○○子さん、「ええーどこって?…いっぱいあるなぁ・・まずカスなとこでしょ、それとくずなとこでしょ、あなたのどうにもならない汚なさでしょー、びた一文価値のないところとかでしょー、切れぢでもそれを認めてる潔さとかと、...

足跡も濡れている

雨をいっぱいため込んだような、重たい雲が空を覆っている。湿度92%という日がつづく。もうすぐ水棲生物になって、エラ呼吸を始めなければならない。水が体の中を通り抜けていく、そんな生き方の感覚とはどういうものだろうか。体のなかが洗われるようで、あんがい快いものかもしれない。ときおり雲の飛沫が降りかかる、奈良盆地も海の底だった。1300年の幻がもやっている。この盆地から、新しいものを求めるひとびとが山を...

小さな恋人

山形からやってきた、小さな恋人と、久しぶりに赤い口づけをした。いっときの、ほのかな甘み。こんどは、いつ会えるかわからない。さくらんぼといえば、小学校の校庭に熟して落ちていた、小さな紫色の実しか知らなかった。都会には、たくさんの果実があった。地中海の海の色だという、リキュールの海に赤いさくらんぼが浮かんでいた。口に入れたものかどうかと、薄いグラスの中をためらっている。あれは小さな恋だったのだろうか。...

つぶやき

けさ、ホトトギスの声を聞いた。「テッペン カケタカ」…そうか、カケタカその空の欠けたところから、もうすぐ雨粒がこぼれてくるんだろうな…...