遊泳する言葉

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花が終わるとき

ずいぶん小さくなったけれど、朝顔がまだ咲いている。これが最後、これが最後と、いつまでも最後がつづいている。そのことは、嬉しいことであり寂しいことでもある。木枯らし一番が吹いた朝にも、この夏の花は咲いた。夏の朝だろうが冬の朝だろうが、その日の花にとっては初めての朝であり、最後の朝でもある。ひとりよがりでさみしがりやのぼくは、咲きつづけるかぎり水をやり、新しい花が咲くのを待っている。朝顔にとっては辛い...

リンゴを齧ったのは誰?

あのリンゴを齧ったのは、小さなガレージの鼠(マウス)だったのだろうか。それとも、スティーブ・ジョブズという天才だったのだろうか。今月の5日に、米アップルの創業者スティーブ・ジョブズが56歳で世を去った。Apple社は公式サイトでコメントした。「アップルは、明確なビジョンをもった創造的な天才を失いました。そして、世界は素晴らしいひとりの人間を失いました」と。天才は去ったが、齧りかけのリンゴのマークは、偉大...

秋の詩集2011

 秋手はあなたの耳にふれるあなたの耳は木にふれる木は誰かがノックするのを聞いている風が旅への音階を駆けていく終わりの始まりすこしずつ羽をひろげて葉っぱはついに飛び立っていった手はあなたの手にふれる空へと伸びる木のおもいにふれる木はあなたの背中をノックしている* コスモスネットオークションで小さな駅を買った小さな駅には小さな電車しか停まらなかった小さな電車には家族がいっしょに乗ることができないいつの...