遊泳する言葉

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眠るヒツジ

ヒツジが眠っている先を越されてしまったのできみはなかなか眠れないヒツジの夢を追いかけるかすかに指のさきが温かい温もりはだんだん体じゅうにひろがりいつもの草の道に迷いこむヒツジがいっぴき数えてもきみもひとりいつまでも夜のバス停を探している草の先がやわらかい眠るヒツジの背中があたたかいきみの国に朝がきてオレンジ色のバスが来るまでヒツジは眠りつづける*久しぶりに、遠くのサンタクロースからプレゼントが届い...

ピアニストたち

何もない広い舞台の中央に、黒いスタンウェイのピアノだけがあった。白髪のピアニストは、足を引きずるようにゆっくりと歩いてピアノにたどりついた。右手は動かない。左手だけでバッハのシャコンヌを弾いた。曲の合間に、ピアノのペダルについて話をした。ピアノには3本のペダルがあり、それぞれに役割があるという。よく使われるのは右と左の2本のペダルで、右のペダルは強音、左のペダルは弱音を助けるものらしい。あまり使わ...

しみじみとどんぐりをひろうその丸い実でコマを作ったことがあったビー玉のようにころがして遊んだこともあった釘で穴をあけて笛をつくり終日ぴゅうぴゅうと鳴らす吹いても吹いてもどんぐりは空ろだった少年のなぜしみじみとどんぐりをひろって耳にあてる少年の声が聞こえる...