遊泳する言葉

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猫の詩論

ここ1年ほど毎日、ある詩投稿サイトの詩をすべて読むようにしてきた。そこでは日に50編ほどの詩が投稿されている。中には散文や短歌俳句などもあるが、ほとんどは詩作品である。常連もいるが新しい顔ぶれもある。いずれにしても、よくこれだけの詩を書く人がいて、次々と作品が生まれてくるものだと驚く。投稿する人もさまざまだから、作品もさまざまだ。玉石混交というか雑多というか、なんでも有りが詩の世界だから読み分ける...

猫である

冬枯れの草むらがざわざわと揺れて、まだらに白いものが動いている。よく見ると、猫だった。あっちにもこっちにも、数えると5匹もいる。いつかの、あの子猫たちだった。たしか4匹だったはずだが、1匹は親猫かもしれない。いつのまにか親猫と見まがうほどに、子猫たちも大きくなったのだろう。野良のままでずっと生き続けていたのだ。ぼくはとくに猫好きでもないが、久しぶりに見かけると懐しいし、それとなく子猫の行方は気にな...

雲のかがやき

すこしずつ季節が移りつつあるのか。朝夕に見上げる空の、雲が黄色く映えているときがある。冬の灰色の雲を押しのけて、そこだけが明るく、そこだけが温かい。雲は一瞬で形も色も変わるが、その一瞬の光景が、何かを思い出しそうで思い出せない。何かが見えそうで見えない。そのようなもどかしい心の情景を、雲が反映しているようにみえたりする。だがそれは一瞬のことだ。一瞬の閃きのようなもので、すぐに消えてしまう。その一瞬...

おみくじは吉だけど

火はありがたい。なぜありがたいのかはわからないが、火のそばにいると体が温まる。なにかが体の中にじわじわと染み込んでくる。食事をして、快く内蔵が満たされてくるのと同じ感覚かもしれない。動物的で原始的な、素朴な充足感に包まれるようだ。とにかくありがたい。寒い時期はいっそうありがたい。大阪の南部に、弥生文化博物館という施設がある。館内の一角に弥生時代の掘立て小屋が再現され、炉の火を取り囲んでいる家族の模...