遊泳する言葉

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秋の詩集2015

 シャボン玉 ストローの息に虹がかかるゆらゆらとぽつぽつと光の橋をわたる虹はたったの六ペンス触れると壊れるストローのさきを伸ばす星まで届いたらその日のトリップは終わる小さな息つぎにも虹がかかる日があった* 紙ヒコーキ 空に放った思いをのせた言葉のように紙は風のままに浮くことをやめて折られて指のさきへみずから真っすぐに飛んだ山をこえ海をわたる鳥にはなれなかったけれど翼のままで紙はひととき空の美しい希い...

火山は噴火するものだ

阿蘇山が大きな噴火をしたらしい。テレビでも新聞夕刊でも、トップニュースで報じられた。いまや阿蘇山は遠くの山だけど、かつては近くの山だった。真夜中にど~んど~んと噴火する音を、夢うつつにいくども聞いた。朝おきると、あたり一面が火山灰で覆われている。夕方は下校の途中、阿蘇の白い噴煙を眺めながら、その山の方角に向かって自転車をこいだ。噴火のニュースを聞くと、あいかわらず元気でいたかと、懐かしい思いが沸き...

どんぐりころころ

どんぐりの実が落ちていると、おもわず立ち止まってしまう。それは一瞬のことだけれど、なにか貴重なものが落ちているといった感覚がよみがえる。いまではもう拾うことはないけれど、子どものころ、夢中になって拾い集めたことがあった。集めたどんぐりは学校に持っていく。それが何かの原料になるということだった。クラス委員をしていたぼくは、集まったどんぐりを、教材を収納する引き出しに保管する役だったのだが、どんぐりで...