遊泳する言葉

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もうひとつの地球

  地球人西瓜のようにまるい地球をぶらさげてその人はやってきた裸で生きるには夏はあまりにも暑すぎる冬は寒く春は悲しすぎるぽんぽんと叩いていまは食べごろではないと言った*  UFO空へ伸ばしたきみの腕がブラウスの袖から露わになって一瞬のぼく宇宙人の細い腕をみたきみの空にはしばしばUFOが飛来するというぼくにはそれは赤いナナホシテントウムシだったりオオキンカメムシだったりするのだがきみは空に円をえがきなが...

恋する地球を恋する

遠くの山々がのどかに雲の帽子をかぶっていた日々春の野をいっぱいの花でみたし初夏の木々を新鮮な緑で塗りかえてくれた美しい地球よ恋しい地球よどうか山を崩さないでくれ家を人を押し流さないでくれ川の水を濁さないでくれ恋する人々を狂おしく嫉妬しないでくれ人はただ美しい地球の四季に恋し美しくなりたいだけなんだから*  初恋の味まだ恋をしたことがないので彼女はカルピスを飲んでみました初恋の味は甘くて酸っぱくて冷...

なんとなく春だから

わいは無口な郵便ポストだす黙々と花の便りを配ってますねん  *花だから咲いたらすぐに散ります誰かが言いましたわたしは薄いうすい一枚の紙です折り鶴が言いましたわしは古いふるい一本の木だよ仏像が言いましたぼくは孤独でまぬけな人間なんだ木偶(でく)の坊が言いましたなんとなく春だからあたしの恋文は空をさまよう風の便りが言いました...

さまざまのこと思い出す桜かな

きょうの桜はいつかの桜かもしれないきょうの私がいつかの桜をみているいつかの鵯がきょうの桜を啄んでいるきょうの私はいつかの私かもしれないいつかの私がきょうの桜をみていてきょうの鵯がいつかの桜を啄んでいていつかの桜がきょう散っている...